英国の新しいパスポートは性差別であると批判されネット上では議論の嵐が巻き起こる
2015.11.5 09:00 知る・歴史・文化 # コメント(-)


2015年11月3日、英国の新しい旅券(パスポート)が発表になりました。新パスポートは偽造を困難にするために複雑なデザインを採用し、劇作家ウィリアム・シェークスピアなど歴史上の文化人らの肖像や作品を配した異なる図案を各ページに印刷してあります。
ところが、取り入れられた文化人9人のうち女性は2名だけとして、男女平等を訴える人権団体フォーセット・ソサエティーなどから批判が入り、SNS上では双方の意見に分かれ議論の火花が散っているそうです。
英国のパスポートのデザインは5年ごとに更新され、内務省によって発表されています。今回取り入れられた文化人らのうち、女性は数学者のエイダ・ラブレと建築家のエリザベス・スコットの2人だけ。男性はシェークスピアの、数学者のチャールズ・バベッジ、画家のジョン・コンスタンブル、彫刻家のアントニー・ゴームリーとアニッシュ・カプーア(など計7人で女性より圧倒的に多く、これが男女平等を訴える団体から避難を浴びることとなったようです。
今回採用となったパスポートのデザイン





男女平等を訴える人権団体フォーセット・ソサエティーのサム・スミザーズ会長は「英国の偉大な女性たちは、本来称えられるはずなのに、歴史から抹消されている。まったく受け入れがたい」と述べたそうです。
ソーシャルメディア上では議論の嵐が沸き起こり、野党議員らはインターネット・ユーザーに対し、絵本作家のビアトリクス・ポター、小説家のジェーン・オースティンやバージニア・ウルフといった女性文化人を取り入れるよう内務省に要求しようと呼び掛けています。
しかし、英旅券局のマーク・トムソン氏は、新デザインを擁護し「女性は2人だけにしようと言って、考えたわけではない。英国中のさまざまな場所やものを考慮した。16ページという限られたスペースの中で、英国を真に象徴する人物のうちのたまたまそうなっただけだ」と述べたにとどまりました。
via:telegraph・afpbb
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