なんと9割が症状改善、ふん便移植が脚光を集める(アメリカ)
2015.10.14 09:00 知る・歴史・文化 # コメント(-)
健康な人のふん便を移植することで腸内環境を変え、腸炎を治療するという「ふん便移植」が注目を集めているという話は前にもしたかと思うのですが、いよいよ本格的に脚光が集まっている模様です。
厳しい審査を通過し選ばれた便をもつドナーはボストン北西部にある研究室「オープン・バイオーム」でふん便をし、この便が買いとられ患者らに移植されるのだそうです。現在オープン・バイオームは22人のドナーに対し、1サンプルにつき40ドル(約4800円)を支払っているそうです。1回の便の料金は4800円。選ばれし便を持つ人ならこれである程度生計が建てられそうです。
ではどんな便が優れた便なのか?まずは109点に及ぶ臨床評価項目を通過しなければなりません。肥満だったり、違法薬物や抗生物質の使用があったらそこでNGです。こうした選抜を経た後に残るのは、ドナー候補のうちわずか3%だそうです。
人間の腸内には善玉菌と悪玉菌を合わせて100兆超個の腸内細菌が生息しています。患者が感染症対策として抗生物質を摂取すると、善玉菌が殺される一方で、クロストリジウム・ディフィシルを含む悪玉菌は増殖してしまう場合があります。
健康な腸から得られたふん便の細菌を患者の腸内に注入することで、有害なクロストリジウム・ディフィシル菌を追い払うことができるのだそうです。
この「ふん便移植」は、内視鏡を使い下半身から注入することも、チューブを通じて鼻から投与することも可能なのだそうです。
オープン・バイオームのドナーは約5000本の治療液を生み出し、驚くことに90%の患者の容体が快方に向かったそうです。
お腹の調子が悪く1日に20回もトイレに行っていた患者が移植の直後から翌日には、腸の動きが正常になり、1日1回の排便で済むようになります。
このふん便の購入費は約4万7000円。米国内47州の350以上の病院に治療液を提供しているそうです。
腸内環境に自信のある人の場合にはドナーになることができます。条件としてはボストン近郊に在住している必要があります。既に6000人が登録済みで、順番待ちの状態だそうですが審査はとても厳しいので、そのほとんどがフン便でビックマネーをつかむことは難しそうです。
via:cnn
というか、前に紹介したけど、肥満な人の糞便を移植すると肥満化するという話だったから、逆にやせ形の人の糞便で痩せたいという願望をも叶えてくれるとしたらその試練、受けてみたいです。
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