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報道写真の画像加工が急増、芸術性と不正の境界に揺れる

2015.3.17 09:16 知る歴史・文化 # コメント(-)

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 世界報道写真財団(World Press Photo、WPP)が主催する報道写真コンテストには今年、前例がないほど多くの「加工された写真」が持ち込まれ、写真報道における芸術性と不正の境界線の在りかをめぐる議論が再燃したそうです。

 最終選考の一歩手前まで残った写真の20%が、過度の加工を施していたために失格となりましたこの数は昨年の3倍だったそうです。
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 最終選考まで残ったカメラマンには「RAW(ロー)画像」という未加工のファイルと最終版の両方の提出が求められました。RAW画像とは、カメラに記録されたままの写真であり、それを審査対象として出品された写真と比較することで、フォトショップなどの画像加工ソフトを使って、要素の追加や削除、トリミング、色・質感・トーンの修正など、どんな加工が施されたのかが分かります。

「世界報道写真財団は、撮影後の画像処理の許容範囲について厳格な基準を設けている。写真を改ざんすることは、その写真を見る人々に嘘をつき、自分自身にも嘘をついていることになる。自分の目で見たものではなく、このように見えたら良かったのにと願うものを見せているのだから」審査員を務めたAFPのフォトグラファー、パトリック・バズはそう語ります。

 とりわけ、画像の不正加工による打撃が大きかったのはスポーツ写真部門で、この部門で失格せずに最終選考まで残ったのは2作品だけだったそうです。

 世界報道写真財団は昨年、撮影後の画像処理に関する規範を発表しました。何らかの要素を追加したり削除したりすることは全て禁止。例外はカメラのセンサーについた塵が写り込んだ場合に、フォトショップで消すことができるのみです。

 写真の情報内容を改ざんしない限りであれば、色やトーン、コントラストを多少調整することは認められています。水平線をまっすぐにするなど画像の回転も多少許されています。トリミングも大体は許されますが、縮小や引き伸ばしは禁止です。

 画像修正ソフトの普及に加え、ねつ造写真もがソーシャルメディアで広まる現状は、フォトジャーナリズムの周辺に陰謀説の登場さえあおっています。そのため世界報道写真財団のような組織は基準を厳格化し、ニュースメディアはそうした不正を自分たちで見抜く技術を導入するようになりました。

 色やトーン、コントラストの調整については基準の解釈が分かれるところで、論争の的になっています。例えば、人物の肌の色を暗くしたり明るくしたり調整することは写真の内容によって、審美的な効果を生むだけのこともあるし、人種差別的な意味合いを持つこともあります。

 06年、レバノンのフリーランスのカメラマンが撮影し、ロイター通信が配信した写真が物議を醸しました。レバノンの首都ベイルートをイスラエル軍が空爆した際の煙の色が、濃く調整されていたためです。

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13年の報道写真コンテストで大賞に輝いたスウェーデン出身のポール・ハンセン氏の写真は、2年経った今もフォトジャーナリズムの世界で論争を引き起こしていまする。パレスチナ自治区ガザ地区で行われた子供たちの葬儀を撮った1枚ですが、一部を明るくし、また他の一部を暗くする処理をしていたために、激しく非難されました。世界報道写真財団は、写真の内容が改ざんされたわけではないとして、この作品を大賞に選んだ決定を貫きました。

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 結局のところ、試されているのはジャーナリストのプロ意識と仕事の透明性なのだそうです。via:AFP

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