同一性障害とみられる児童・生徒の数は少なくとも606人、懸念される学校側の配慮(文部科学省)。
2014.7.8 09:00 知る・歴史・文化 # コメント(-)


心の性と、体の性が一致しない性同一性障害とみられる児童・生徒は全国の小中高校で少なくとも606人にのぼり、そのうち学校が特別な配慮をしているのは約6割の377人という調査結果を文部科学省が先月発表しました。当事者が認めたくない場合や、言うに言えない事情のある子どもを含めるとこの数は更に増加すると考えられます。
この調査は、性同一性障害の子どもへの対応の充実を目指し、現状を把握するために初めて行われたもので、昨年4〜12月に国公私立の小中高校と特別支援学校に在籍した約1370万人を対象に実施されました。
この調査は学校が把握する事例に限られ、本人が望まない場合は回答を求めなかったため、文科省は「性同一性障害とみられる子の一部と考えている」としています。
606人の内訳は、小学校93人、中学校110人、高校403人。戸籍上の性別では、女性366人、男性が237人、無回答が3人。医療機関を受診したのは257人で、そのうち性同一性障害と診断された子どもは165人いたそうです。周囲に対し、「秘匿している」「(親しい友人など)ごく一部を除いて秘匿している」のは計348人いました。

学校の配慮として多かったのは服装に関するもので、制服がある学校の場合、戸籍上の女性の99人が、男子用の制服の着用や体操着での登校を認められていました。逆に戸籍上は男性の場合、同様の配慮を受けているのは17人だったそうです。
このほか、職員トイレや多目的トイレの使用を認めたり、保健室や多目的トイレを更衣室として利用させたり、宿泊研修の際に1人部屋にしたり、入浴時間をずらしたり、性別がはっきり分かる戸籍上の名前ではなく、通称で呼ぶ、などの対応がみられたそうです。via:asahi

性同一性障害に対する理解はなかなか進まないのが現状で、社会人になってもその弊害は続き、不当解雇などが問題となっているようです。
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