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診断手引の改正で「アスペルガー症候群」の分類が消える(アメリカ)

2013.5.2 09:00 知る歴史・文化 # コメント(-)

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 日本でも広く使われている米精神医学会の診断の手引(DSM)が5月に改訂され、発達障害の一種「アスペルガー症候群(AS)」の分類が消える見通しとなったそうです。これにより「適切な支援が受けられなくなる人が出る」などの不安が米国で出ており、日本の臨床現場への影響も懸念されています。
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 アスペルガー症候群(以下AS)は、言語発達の遅れや知的障害はないものの、対人関係を築くのが苦手なのが特徴で、「軽い自閉症」と見なされることもあり、19年ぶりに改訂されるDSM第5版では、重い自閉症からASまでを連続的に捉える「自閉症スペクトラム(連続体)障害」に一本化されるそうです。

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 診断に使う項目も改訂版では、「社会コミュニケーションの障害」「限定した興味や反復行動」に絞られます。改訂に関わったグループは「第4版の基準は医師によって診断名が違ってくる」などとし、「より正確な診断が可能になる」としていますが、米エール大の研究グループが、第4版でASと診断される人のデータを第5版で診断し直したところ、4分の3の人が、自閉症スペクトラム障害に該当しなくなりました。

 そのため、今後は同じような障害を抱えていても診断で除外され、コミュニケーション技術の支援教育などが受けられない可能性があるそうです。さらに、現在、ASと診断されている人の間でも、診断名がなくなることへの不安の声が出ているそうです。

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 日本の発達障害情報・支援センターによると、ASの人は約4千人に1人と言われています。ただ、障害が軽くて厳密には自閉症と診断されないが、ASと似た状態を含む広義のASは、数百人に1人とされる自閉症よりも多いとのこと。

  日本自閉症協会会長で精神科医の山崎晃資氏は、「発達障害は多様な障害を含み、何度も診察して診断する必要がある。」今回の改訂で「よく診察されず、『自閉症スペクトラム障害』と診断される人が逆に増えるかもしれない」といい、適切な支援が遠のく可能性を危惧しているそうです。

via:asahi
 

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