宗教信者は無神論者を、強姦犯と同じくらい信用していない(カナダ研究)
2011.12.9 09:03 知る・面白 # コメント(-)


論文の主執筆者、カナダ・バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学博士課程のウィル・ジェルベー氏(心理学専攻)は、「宗教を信仰している人びとが多数派の場所、つまり世界のほとんどで、無神論者は最も信用できない人びとのグループに入る」と述べたそうです。
ソース:宗教信者は無神論者を信用できない、カナダ研究 国際ニュース : AFPBB News
研究によると、神への信仰を表に出す人は、信頼できる人として見られるのだそうです。特に、「神に監視された方が人間は善行をすると考える信者」の間でこの傾向が強かったとのこと。
「無神論者は、信仰を持たないことついて個人の形而上学的な問題だと考えるだろう。だが信仰者たちは、無視論者の信仰心のなさを、協力や誠実さを脅かす公的な問題だと考えることがある」共同執筆者のAra Norenzayan氏は語ります。
研究チームは、米国の成人350人とカナダの学生420人を対象に、複数の仮定にもとづいた質問やシナリオを投げかけた。研究の結果、「信用できない人」は、キリスト教徒やイスラム教徒、同性愛者の男性、フェミニスト、ユダヤ人よりも、無神論者である可能性が高いと考えられていることが分かりました。無神論者と同程度に「信用できない」人びとは強姦犯だけだったそうです。

研究チームは、信仰者の無神論者に対する偏見は、嫌悪感や反感よりも、不信感によって動機付けられていることが分かったと結論づけました。
研究発表の前には、米世論調査企業ギャラップの行った調査で、「さまざまな条件を満たした、無神論者の大統領候補」に投票すると回答した米国人がわずか45%で、複数の仮定上の少数派候補の中で最も低い支持率になっていたそうです。また大半の人は、自分の子どもが無神論者と結婚することにも反対だったとのこと。
ジェルベー氏は「無神論者が団結して目立つような強力な社会グループではないにもかかわらず、このような嫌悪感を受けていることは衝撃的だ」と語ったそうです。
日本の場合には、無神論というより八百万の神がいる多神教の国。「神様仏様」と拝む人もいますし、教会で結婚式を挙げながらも死んだらお寺のお墓に入ったりする人もいます。どんな神も受け入れ、それを自国向けに再構築するという文化が昔からありました。神教、仏教、道教、儒教、民間信仰がまざりあって独特な信仰が生まれてきたわけで、西洋文化とはまた違った信仰文化なので、今回のこの結果もあまりピーンとこないかもしれません。そもそも神様に監視されなくても、日本では「世間様」とに監視されているわけで、そういった土壌もあり、たえがたきを耐え、しのびがたきをしのんだりすることができるのではないでしょうか。
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